日本に帰って2年半、それからの渡英は3回目ですが、最後の渡英から1年半経っていたので、今回は色々な場面でマインドリフレッシュが出来ました😊
まずはチャンピオンシップ
これは毎年DVDとして発売されるため、日本でも多くの方々が見たことあると思います。
そして私は日本の方には「生で見るよりもDVDで見たほうが何倍も見やすい」と話をしています😅雨風はしのげるし、間近での犬の動きが見れるし、鳥が現れない部分はカットされてサクサク進むし〜。。。
しかし今回はフィリッパ先生が出場権を持っていたことや今までで培ってきた交友関係のおかげで、コンペティターや見学者の中に多くの友人に会場で再会したり、生で見る良さとして、場の緊張感も味わえ、やはりDVDでは伝わらない思いを体感しました。
そして現場でしか見聞きできない裏話や見えない実話がたくさん隠れているのです。
そして必ずしもDVDで見るものがガンドッグハンドラーとしてのスキルアップをするためのお手本ではない!という方は第1に示しておきたいと思います。
その裏側を知りたい方はどうぞ直接私にお問い合わせください✨
今回チャンピオンシップが行われたエステイトのメインハウス前〜! photo taken by Sidney
それにしても子犬から間近で触れていた2頭の犬が今回のチャンピオンシップ出場の59頭に選ばれて、3日目の19頭にまで残ったことや、1頭は入賞にまで選ばれたことは、なぜか親戚のお祝い事のような気分にもなりました。
チャンピオンシップ3日間を終えた後は第二の故郷ヨークシャーへ!
ヨークシャーではヨークシャーでの生活で出会った友人との再会や歩き慣れた場所を犬たちと散歩したり。
そして7日はフィリッパが手伝いをしているガンドッグクラブのNovice Trial のお手伝いへ!
今までにフィールドトライアルは数回見学や応援をしたり、自分自身も出場をしたことがあるけど、今改めて日本でレトリバーたちとガンドッグをする眼を持った状態で、本場に踏み入れると更に色々なことが見えてきます。
・トライアルでの送り出される距離のレンジ
・(ウォークドアップなので)ラインに入った犬のテンション
・ガンドッグはオフリードのヒールワークがないと始まらないこと
・オフリードのヒールワークのあるべき姿
(コマンドはもちろん、あなたのアイコンタクトは一切必要とされない)
そしてここでの優勝もイギリス滞在初期から知っているスイスランド人の友人が手にしたものだったので、とても嬉しかったです。
他にも2年のワーホリの間に出会い、パフィンが一緒に練習をしていた方がトライアルに出場し、COMとガンズチョイスを手にしたのにはそばで見てきた緊張感と感極まる嬉しさと、「愛犬ともイギリスで競技が続けたかったなぁ〜」という少し甘酸っぱい気持ちが入り混じりこみ上げてきました。
また土曜日は"イギリスの実猟" 猟場でのピッキングアップにフィリッパが連れて行ってくれました。
イギリスの猟という文化も後5〜10年で変わるだろうと言われていて、詳細を聞くとなんとも寂しい気持ちにもなります。
猟場でのルールも厳しくなり、基本的に写真撮影も限られてしまっています。
しかし猟の場というのはまさにレトリバーがレトリバーとして輝く姿があります。
猟場は以前に私も愛犬を連れて行っていた場所とは変わり、週5,6で300〜600 羽のレンジで行われる猟場です。=大規模な猟場という意味を指します。
シーズン初めはシューティングシーズン前から繁殖されたキジやウズラが溢れかえっていたようです。
ピッカーズアップは6人、最低4頭犬を連れて行くことが条件で雇われているとのことです。
この猟場には3つのVallyがあり、20箇所ものドライブ(ガンズがシューティングするスポット)が用意されているそうです。
「イギリスで猟は貴族の娯楽ですか?」とよく聞かれますが
私は貴族以外にも楽しんでいる方がたくさんいることを知っています。ただお金はかかるスポーツです。
所謂食することを望むための猟ではなく
お金のかかるスポーツ
親しい友人たちと娯楽を楽しむ社交の場
かな、という風に思います。
通年通して鳥を繁殖し、お世話をして猟場の面倒を見るゲームキーパーがいて、ビーターやピッカーズアップなどの賃金をもらい働く人もいて、そこに犬たちの働きが欠かせないのです。
犬たちは犬ということがきちんと尊重されて、マシーンのように働かされているのではなくて、
その犬がその犬種で生まれた本質が輝く瞬間です。
スパニエルは飼い主のそばを離れず、右往左往鼻を使って鳥の匂いを拾って、鳥を見つけたら羽ばたかせます。そのあとは必ず飼い主さんの方を向いて誇らしげ、「取りに行っていい?!」と確認します。
レトリバーは鼻を使って鳥の撃たれたブラッドセントと火薬のショットセントを拾って探し、飼い主さんのそばに届けます。
これだけではなくて今回改めてハイライトとして感じたことは
6人が平均6頭の犬をそれぞれ連れて、同時に1ドライブを犬たちに探させに行きます。
ということは最低36頭が一箇所に集結するのです。さらにそれぞれが考えていることは一緒
みな犬たちは
自分に任されてやるべきこと=鳥を探して飼い主さんに届ける
に集中しているので、犬同士のトラブルや接触がありません。
そしてここで感じるのはトラブルがあってはいけないし、トラブルがあってもおかしくない状況だということです。
あとはもちろん、オフリードにしたら犬は行ったきりで帰ってこないようでは賃金をもらって仕事として成り立ちません。
ただレトリーブができればいいのではなくて
他犬や他人に社会化している事
リードで繋がっていない状態での飼い主さんとの絆や犬から飼い主さんを気にかけたいなと思う心地よい姿勢
がどれだけ大切かという事が垣間見えてきました。
ここでの社会化という意味はフレンドリーという意味ではなくて、空気のように何気ない背景のようにするキャパシティーが必要だということです。
たぶん他人にシャイではレトリーブどころではないし、そんな心境で何十頭も犬がいるところにいさせるのはかわいそうだし
他犬がいてはオフリードにできないや攻撃性があるというのは論外であり、ガンドッグとしては隠すこともできないし、望まれない事なのだということを改めて感じました。
なのでやはりガンドッグというのはまずは最良の家庭犬であること、その先に競技会に出ることやピッキングアップに連れて行けるということが始まるのだなと確信しました。
だからと言って他犬や他人にシャイや苦手なのがレトリーバーとして失格と言っているのではなくて(アウトオブコントロールは別!!!)
そういった犬には無理なストレスを与えることなく、その犬が安心して楽しく暮らせる犬生を送らせてあげる事が飼い主さんの責任だと思います。ガンドッグはダミーとホイッスル首に下げて散歩道や山などで出来てしまうことも魅力的ですよね😊✨
イギリスではシューティグという文化で産業が成り立っていますし、決して自然をただ荒らしているわけではありません。
そこには深い歴史や地域のコミュニケーション、様々な事柄が関わってくるとても温かい場所なのです。
2年半前まで一緒に過ごしていたことがまるで昨日のことに思えるとても充実した時間でした。
これは私の愛犬をたいせつな家族と一緒に世話をしてくださったサポーターの方が居てこそ成り立つ小旅行でした🌟